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【若手紹介企画第2弾】addict Interview & CM.JP限定MIX SET

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東京、大阪からスタートする、CM.JPの全国の若手 DJをリレー形式で紹介する新企画!

前回のRyoくんに続き今回は東京の主要クラブで活躍し、デイ、ナイト問わず数々のパーティーに出演している今注目の若手House DJ Addict
WOMBで行われているNORII主催の「SINKA」では、メインフロアで出演されています。

 

8月に行われる日本初開催のビッグフェス「S2O」のオープニングアクトを決めるオーディションでも1次審査を通過し、二次審査に進むなど、今勢いのある彼のインタビューは必見です!

こちらからCM.JP限定MIXが聴けるのでぜひチェックを!

Interview

◇自分がどういったプレイをするDJなのか、簡単な自己紹介をお願いします。

選曲はHOUSE中心で、中でもTRIBAL HOUSEやTRIBAL TECHを中心に選曲はしてるかな。
HOUSEのDJってロングミックスでじわじわ繋げる人が多いと思うんだけど、その中でミキサーとかの機能をいかにフルに使って元の曲の形を崩しながらも良いグルーヴを作って、自分の個性を表現したいなっていうテクニック系のDJかな。

他の人が出来ないような技もやるし、やろうと思えば誰でも出来るけど、このスタイルで僕以外にやってる人は見たこと無いからその部分はアイデンティティを持ってるかな。

 

◇DJを始めた経緯をお聞きしたいです。

当時二十歳の時に一人で渋谷にいたんだ。
その日凄い帰りたい気分じゃなくて、そこで「渋谷 夜遊び 暇」で検索した時にクラブって単語が出てきて。
そこで「何それ?」って思いながら初めてクラブに行ったんだよね。
そこでDJっていうものを初めて知って、「カッコイイ、自分もなろう!」っていう結構軽いノリだったね。

それからは毎週通って色んなDJのプレイを聴いて、自分なりに解釈して研究したりして。
その間お金貯めてパソコンとコントローラーを買って、練習し始めた。しばらくしてから、知り合いのDJに誘われてそこから本気になって。
それで今の自分があるかな。

 

 

◇DJを始めて最初からメインジャンルはHOUSEだったのですか?

DJ始めた時はHOUSE。
でもクラブ通い始めた当時は通ってたハコがオールミックスだったんだよね。
それで最初はずっとオールミックス聴いてた。

しばらくしてからELE TOKYOっていうハコがあって、当時そこのラウンジがHOUSE縛りだったんだ。
そこはDJの手元が丸見えで仕切りとかもなくて、手元ガン見でDJの勉強していて、そこでHOUSEのDJと仲良くなって、そこらの影響でHOUSEをずっと。
だからDJ始める前に聴いていたものがHOUSEになっていったね。

□初めてからデビューまでの期間はどれくらいでしたか?

コントローラー買って2,3ヶ月かな。
つなぎ方わかんなくて、キューの打ち方が全然わかんなかったの。
それでJASSKALLに聞いたら、32拍と64拍に付けとけば良いですよみたいなのを聞いて、曲を繋げられるようになって、「こんな簡単なんだ、これなら出来る」と思った。

だからDJ始めるのにそんな苦労しなかったかな。
ELE TOKYOは手元が映ってたから、それのマネごとしてたら半日くらいで出来るようになった。

□メインフロアでプレイをするまでの期間はどれくらいでしたか?

一年。ちょうど一年で、初めてメインフロアに立ったのがWomb (WOMB) Tokyo。

SINKAでKryder呼んだ時に初めてメインになって、WOMB出てから「メインどうですかメインどうですか!」って急にブッキングが来るようになった。
最初断ってたの。自分にはまだ早いだろうと思って、DJ初めて一年だったし。

でも、当時のVISIONのとあるパーティーのオーガナイザーさんから「お前が一番上手いと思うからVISIONのメイン出てくれ」って直々に電話が来て、「そこまで言ってくださるなら」ってちょっと抵抗はありつつも受けた。

以降は普通にパーティーのブッキングが来て「出れます」って言って、いざラインナップ見たらメインだったってことが度々(笑)
本当SINKAのお陰で進化できた(笑)

 

 

◇東京を中心にDJをされていますが、今の東京のクラブシーンについてどうですか?

界隈がありすぎて一概には。

札幌だったらHIPHOPもHOUSEも皆仲いいじゃん。
皆和気あいあいとやってる感じだけど、東京は界隈によって関わりが少ないことが多い。例えば僕ならHIPHOPの人全然知らないとか。
あとは噂が多過ぎて東京は怖いなと思う。

僕は何処にも属してないから、どことも仲は良いんだけど何言われてるかわからない。
DJやっていくんだったらその辺りの人間関係は上手くやっていかないといけないなっていうのは感じてる。
みんなでDJの技術面、意識面でお互い高め合えたらと思ってはいるけど仲良かったからこそ、ブッキングが他の人に取られたとかも見てるし、技術云々の話じゃない。
上下関係ガチガチなところとか、中々若手が上がりにくい。
ただ使われてるイメージがある人もいるから、頑張ったら頑張った分だけ還元してあげないとやっぱり場は持たないし、シーン全体で見た時に成長しないのかなって。

自分もいつ干されるかわかんないし、DJのプレイ云々よりも人間関係で苦労することの方が東京は多いかな。
あと、中にはクラブの流れ、空気がわからないで自分の好きなことだけやってハコの雰囲気壊してる人もいる。
東京って日本の中でもクラブシーンが進んでる印象があるけど、人が多い分その分初心者も多いから、日本でのフェスも増えてきて、DJに憧れてDJになりたい子も増えて、フェスの感じを早い時間でやって雰囲気ぶち壊しとか。
それで陰で言われたりしちゃうのは怖いね。
しっかり教育してお互いを高めあえる、DJのスキルでの話が二の次になってるのが残念。

でもいい面としては実は若手のDJスキルがバズってて、歴関係なく上手い子もいるし、曲作れる人は若い人達が多い。
そして色んなハコがあるからこそ色んなシーンに触れて、日本の中では先進的なものに触れられる。
これは凄い東京で活動していて良かったなって思う。
もっと地方と積極的に関わって日本全体に広めていきたいね。

 

 

◇同世代の若手のDJの数は多いですか?

基本的には居ると思うけど、入れ替わりが凄く激しい。
この業界入って二年だけど、入る人も辞める人もいっぱい見てきた。

残ってる人はちゃんと残ってるから、それなりの理由があるかなと思う。
人間性もあるし、皆ある程度の常識がある。目の前のこと、自分の状況を理解できる人達が残っている。

でも確かに地方に比べたら自分含め若手が圧倒的に多くて頑張っている人が多いとは思う。

□東京には今からDJを始めたいと思っている人も沢山いますか?

いるいる。
そういう子たちにはまず方向性をしっかり決めなって言ってるかな。
フェスみたいなDJっていうか、オールミックスのハコみたいなことしたいんだったらそういう道目指せばいいし、HIPHOP極めたいとかHOUSE極めたいとかだったらまた違うハコになるし。

ただDJ始めたいからって、どこでもいいから現場で始めちゃったら、その現場に縛られたりする。
それで若手が潰れちゃってるの何人も見てるから本当に勿体無いと思う。
もしかしたらその若手が次のMartin Garrixかもしれない。

最初に関わった先輩の私利私欲に流されない為にも、どんなDJになりたいのか、何をプレイしたいのか、どこでプレイしたいのか、色んなクラブや色んなジャンルのイベントに行ってみてほしい。
そしてそのハコやジャンルの人に話しかけてみるといいと思う。嫌な気する人いないしむしろ嬉しいと思う。

□今東京で第一線でプレイされてる方の年齢層はどのくらいなのでしょうか?

それはピンキリだなぁ(笑)
何を第一線とするかにもよるし。

年齢だけで考えるなら、DJ moeちゃん、MATZ君が丁度二十歳くらいでしょ。
上の層だとAKiさん、Taku Takahashiさん、DAISHI DANCEさんとか中田ヤスタカさんとか?

みんなアイデンティティあるけど、メインフロアだけが全てじゃないし…
ラウンジなんか若手だらけだしさ。

ただもっといいものを持っている色んな人をピックアップしていってもいいと思う。
ラインナップも変化が無くなっちゃうし、今はピックアップされてるメンバーが固定されてる印象。
良い若手を入れ替わりでやった方が面白いんじゃないかなと思う。
同じ人だと「またあの人」ってなっちゃうし、他のDJを知る機会が少ない。
ただハコに来てもらわなきゃ営業にならないから、その人に集客力、広告力がなきゃ使ってくれないよね確かに。

だから如何にセルフプロモーションを上手く出来るか、政治力も大事なんだと思う。若手やフリーのDJはやっぱりそこが難しいよね。
個人的にいい若手を知ってるから若手をもっとピックアップしてほしい。出て欲しい。全国の若手のみなさん、一緒に頑張りましょう(笑)

 

 

◇DJする際に意識していることはありますか?

まず準備段階として、曲整理する段階でジャンルとかで細かく分類するのが一番気をつけていることかな。
例えば同じHOUSEでもTRIBAL HOUSEでもDEEP HOUSEとかAFLO HOUSEとか、それをまた細かくジャンル分けしてる。特徴の強さによって強いフォルダ・弱いフォルダとか。
曲調の強さによって、「ちょっと弱めのパスされました。」とか、「弱めからアゲていきます。」ってときに、色んなジャンルに細かく分けてると凄い自然ににミックスできるから便利。

あとはMIXのときに、低音・中音・高音で曲を分解して考えてるんだよね。
分解して考えた時、音がぶつかる各音域をEQで絞る。
でも次かける曲を絞った状態から上げなきゃいけないから、その分終わる曲をEQでどの音域を絞ってキレイに聞かせるか。
例えばHiだったら、ハイハット重なるとうるさいから、最初の曲はハイハットが気にならないぐらいまで切ってとか。
キック繋がり過ぎたからLow絞ってブレーク作ろうとか。
音を分解して、EQで表現するのがとても大事だなと、HOUSEやる時には思う。

最初は言われてもわかんないんだよね。でもちょっとずつ意識して繰り返すことで分かっていくと思う。
曲を細かく整理するのと、音分解して聞いてEQで整える事。この2つをひたすら繰り返してる。

あとは自分が楽しむ事じゃないかな?
自分が気持ちいい、楽しいって思えるプレイした時が一番フロアが湧いてるよ。

 

◇一番影響を受けたアーティストはいらっしゃいますか?
NORII君かな。
それこそDJを始めたのが2016年の6月で、その2ヶ月後ぐらいに実家が北海道だから、実家帰ってRiviera遊びに行った時に、NORII君のプレイをまじまじと聴いた。
東京でもやってたし何回か見たことはあったんだけど、それまでちゃんと聞いたことがまだ無かったんだよね。
その影響でTRIBAL HOUSE始めたから、一番影響受けたのはNORII君。
その時期にSinka Recordsから『Give It Up』がリリースされて、東京で凄い使ってたね。
SINKAの曲掛けてるのDAISHI DANCEさんと僕と、あとTIDYも掛けてたかな。
それぐらいからTRIBALHOUSEずっとやってる。
まぁそれだけだと幅効かないから色々やるけどね。

皆が知ってる海外のアーティストで言えばやっぱりKryder。Sosumi Recordsの影響だね。
でも最近TRIBAL HOUSEがメインストリーム化されてきて、自分のアイデンティティが無くなってきたから、またもう一つ違う味を加えないといけないなと思ってる。
アイデンティティを保つために、TRIBAL HOUSEを軸にしつつもTRIBAL HOUSEをまた一歩変えた形にして表現していきたいなとは思ってる。

 

 

◇自身が出演しているパーティを一つ紹介して下さい。

「ABSOLUTE MUSIC presents NEXUS with CID」っていうイベントが大阪のオーガナイザーのbeatmanさん主催でCIDの来日公演が6月8日にまず大阪、10日に東京のCIRCUS TOKYO、この東京がデイイベで未成年も来れるから紹介したい。

僕はナイトイベントもいいけどデイイベントに力入れたいなって思ってて。
昼間って若い子たちが入れるから、今の若い子ってすごい耳肥えてると思うし、フェス行きたい!っていう15.6歳の子とかもいっぱいいるよね。
それって凄いことだと思ってて、海外じゃもっと若い子たちが曲作ってたりとかもするし、そういう海外の水準に近しい環境とか感性になってきてるんじゃないかなと思う。

日本のクラブシーンを世界標準に持ってくには若い子たちの心に響く何かが必要だと思ってるから、そういう意味だとやっぱりデイイベントだよね。
そういった意味を込めて10日のイベントよかったら遊びに来てね。
もちろん、まだ未定だけど、僕が主軸にしている、WOMBのSINKAもチェックしてね(笑)

 

◇最後にaddictさんの自身の展望を教えて下さい。

長い目で見たときには、日本のシーンを変えたいっていうのがあって。
クラブって怖いとか危ないとかチャラチャラしてるとか、クラブ行かない人にとってクラブはイレギュラーとして異物扱いされてるじゃない。
それをなんとかできたら僕は大人しくやりたいことやりたいって思ってる。
ただ売れてお金持ちになりたい!とは全然思ってない。

そこまでクラブシーンを持ち上げていく過程で自分が売れなきゃいけないし、曲も作らなきゃいけないし、自分の地位を確立しなきゃいけないと思ってるから、そこまで行けば生活には多分困らないと思う。
そこから最終的な目標として、日本人が日本のクラブシーンが凄いんだぞって胸張って言えるほどに、世界のクラブシーンに肩を並べられたらなと思ってる。
そこまでの道のりは果てしないと思うし、目標にしてやってる。ただの展望に過ぎないかもしれない。

でも少しでも日本人のマインドを変えられたらいいと思う。
クラブなんて行くな!って言う親が、クラブ行ってらっしゃい!って言うぐらいになればいいかなって(笑)
あとはその過程で世界で死ぬまでに色んな面白い世界をみてみたいな。

 


 

今回は東京で活躍されているAddictさんにインタビューさせて頂きました!

次回の出演者はaddictさん推薦の DJ ISPAさんです!

お楽しみに!

 

【addict】

2016年6月にデビューする。デビュー時からHouseを主軸にプレイ。深夜のクラブ営業のみならず、デイタイムのパーティーや学生イベントなど様々な現場をこなし、Houseだけではなくオールマイティーでコアな選曲と常識に囚われないスタイルで注目されている。現在はTribal houseやGroove houseというジャンルを軸にプレイ、2017年には都内大箱のメインフロアにも出演し、海外アーティストとも共演。また最近は地方での出演も増え、活躍の幅を広げている。若手の中でも注目度が高いDJである。

ACCESS