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【国内外で活躍中】DJ IKUインタビュー

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先日、Riviera Sapporoにて開催された「SANNY SAUNDAY」でゲストDJとしてプレイされたDJ IKUさんのインタビューを紹介します。

 

◇クラブDJ、ターンテーブリストとして最前線で活躍されているIKUさんのキャリアを教えてください。

DJに出会ったのは、2002年。
DMCというDJバトルの大会があって、それをたまたま見に行く機会があってそれで衝撃を受けて始めました。そこから、DMC JAPAN FINALに出るという目標を掲げてやり始め、2005年には、目標としていたDMC JAPAN FINALに出場することができました。
大きなモーメントとしては、2008年Red Bull Street Styleという大会で初めて日本一になったことです。その2年後の2010年に、Red Bull 3Styleという大会で優勝しました。そして今日に至るかんじです。

 

◇IKUさんにとって札幌はどんなところでしょうか?

2010年か2013年ぐらいに札幌に初めて来た時にはもう、コミュニティがしっかりしているなという印象があって、特に札幌は、先輩、後輩の関係もしっかりしているという印象がありました。あとはクラブによって、色分け、住み分けがはっきりしているなと。ジャンル的にとか、お客さんもプレイヤーも。

 

◇グルーブ感を保ちながらスクラッチ、2枚使いをパーティーに落とし込んでプレイするスタイルの秘訣は何でしょうか?

やりすぎないこと。
どこに自分の強みを出すか。ストロングポイントをどこにどのくらい持ってくかが大事だと思っていて、あまりそれを出しすぎちゃうとお客さんとマッチしなかったり、自己満になってしまうので、与えられたプレイ時間の中にどこか一箇所、二箇所、三箇所、自分が今日やりたいことっていうのを散りばめておく。全面に自分を出すっていうふうにしてセットリストとか考えていくとバランスよくプレイできるというかんじ。だからあまり押し出しすぎないんだけど、突き出る時は、めちゃくちゃ突き出る必殺仕事人みたいな。

 

 

 

◇縦横無尽にジャンルを横断する選曲は、どのような視点で構成を考えているのでしょうか?

子供の頃、DJを始めるずっと前からいろんな音楽を聴いていて、ジャンルを色々とかけたいっていうのは、身体に染み付いていました。
ただあんまりそのミックス自体が面白いからって、なんでもジャンルをごちゃまぜにしちゃうとまとまりがないもの、ミックスになってしまうので。ジャンルをまたぐにしろ、共通項を見出してつなげる。だから同じワードだったりとか、メロディーラインが一緒だったりとか、あとは、同じネタを使っていたりとか。そういうところに共通項を見出してつないであげるとわりとみんなついてくるし、聴きやすくなる。ただ闇雲にジャンルばらばらにかけるってのはなんかあんまりやらないですね。何かしら関連性を持たせてかけています。

 

 

◇IKUさんが考えるターンテーブリストとクラブDJの違いはありますか?

ターンテーブリストVSクラブDJとするとプレイ内容ががっつり変わってきちゃうんですけど、今あんまりそこの住み分けをしていなくて。自分がターンテーブリストだっていう気持ちでプレイすることが最近あまりなくて。DJの大会とかでジャッジで呼ばれた現場で、ゲストプレイとかもするんですけどそういう時でさえ、ターンテーブリストの要素を含んだクラブプレイというのをやるようにしてるんで、あんまりターンテーブリストだっていう意識はないんです。ただ強いて言えば、家でのリラックス方法とかリラックスしたいなっていう時はもう無心でスクラッチしていますね。あとは、全国を行った時にポータブルターンテーブルでシューティングしてるんですけど、ターンテーブルを最初に目指してきたからこそ、こういうことができるんだなということを感じたりはします。こういう現場ではターンテーブリストっては考えていないですね。2枚使いができるかできないか、スクラッチができるかできないか、それだけかなって感じかな。

 

 

◇IKUさんが感じるシーン(DJ、オーディエンス)の変化はありますか?

多分常に変化してるんだと思うんだけど、DJがプレイしやすい環境、自分がやりたい環境を作ったDJが強いなって思ってます。
タクトみたくこうやって自分のパーティーを持つってことは、自分がやりたいことを表現できる。自分のパーティーなら誰にも文句は言われないわけで、そういうパーティーを確立しているDJっていうのが東京にもいたりするんですけど、そこでは本当にみんながストレスのない状態でDJプレイしてるなっていう印象を受けます。これは今に始まったことではないですけどね。
でも、今だにそうなんだなと思うし、そこに遊びにきているお客さんもそれが見たくて来てるから誰もストレスを感じていない。こんなパーティーが一つでも多くあればいいですよね。今日もパリピのためになんかかけたくもない曲を並べて今日も仕事したな、じゃなくてやりたいことを表現できる環境を作るってことが大事かなと。

 

 

 

 

◇現在、DJの活動だけでなくWORLD DJ ACADEMYで講師を務めていますが、DJを育てる立場に立たれたのは何かあるのでしょうか?

経緯は、単純には教えてほしいって人が結構出てきたっていうのが単純な理由です。
これまで教えてもらったこともあるけど、基本的にDJってバンドとかと違って、一人で練習するものなので割と独学というか一人でやってきました。
だから、これまでやってきたことを簡単に人に教えたくないって気持ちもあるんですけど、DJシーン自体が盛り上がれば、自分の状態もよくなるかもしれないってのもあるので。
あとは、今DJが誰でも始められる状況なんですけど、簡単に始められるけど奥が深いっていうところを伝えたいというところがあって。実際にパーティーに一週間前に始めた子が人前でDJしているってことがありえるますし。でもそれはそれでよしとして。「奥が深いよ。職人ですよ」ってところは伝えたいなという活動の一貫ですかね。
「DJ簡単ですよ。スクラッチ体験できますよ」っていうDJの裾野を広げるイージーなものの啓蒙活動みたいなのは、結構いろんな人がやってると思うんですけど、逆に、「DJって奥が深いんだよめっちゃ難しいんだよ実は」って活動している人は、そんないないのかなって。その両方を上手くやっていかないとDJがただはいて捨てるだけになってしまう。みんな趣味で始めて、本気でやっている人たちの現場を奪っていき、辞めていくというのは、違うと思うので。

 

◇IKUさんにとってのDJとはどんなものでしょうか?

表現方法。
自分が自分でいられる場所というか自分自身というか。でもこんなこと言ったら怒られちゃうかもしれないけど、もし明日DJできなくなるってなってもたぶん一瞬落ち込むけど、そんなに自殺しようとまで思わないと思う。なんか違うことって考えるし、やりたいことを探すと思う。たまたま今DJが上手くいっているって感覚がまだある。だから、好きなことを見つけられたってことは幸せですね。本当は未だにサッカー選手になりたいけど(笑)

 

◇思い入れのある1曲を選ぶとしたらIKUさんは何を選びますか?

思い入れのある曲は、色々エピソードがあるんですけど、その中の一つ。
COOLIOっていうアーティストの『Gangsta’s Paradise』って曲があって、それを小学校6年生ぐらいの時にたまたま聴いたんですけど、
人生初めて聴いたラップミュージックで、それが心にぐっときたんですね。それを友達に聴かせたら、友達に「お前何聴いてるんだよ。気持ち悪いな」って言われたのがすごいショックだったという思い出の1曲です(笑)

 

◇ファンに一言お願いします。

いつも応援ありがとうございます。ナイトクラブだけでなく、昼のイベントとかいろんな場面で会えるように、いろんな場所でお目にかかけれるように頑張るのでよろしくお願いします。

 

 

【DJ IKU】

世界的権威のあるDJコンテスト「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP」の日本大会【DMC JAPAN FINAL】に出場し下克上を成し遂げてその名を全国へ広げる。2008年には全国各地の予選を勝ち抜いた16名のDJで行われた【Red Bull STREET STYLE DJ BATTLE JAPAN FINAL】にて日本一に輝き、スクラッチの神様と言われるDJ Q-BERTからも高い評価を受け、ゴールドパネルのミキサーを手渡される。 2010年、 パーティDJのNo.1を決めるコンペティション【Red Bull THRE3STYLE DJ BATTLE JAPAN FINAL】で2度目の日本一に輝き、同年12月に行われた【Red Bull THRE3STYLE WORLD FINAL】に日本代表として出場。ターンテーブリスト特有のジャグリングとスクラッチでダイナミックかつ丁寧にビルドアップし縦横無尽にジャンルを横断するスタイルは、世界的に有名なDJ JAZZY JEFFをはじめ、DJ KRUSH、DJ KENSEI、DJ TA-SHIらにも高い評価を受ける。また国内有数の野外ビッグイベント「BIG BEACH FESTIVAL」に、2012・2013年と出演し世界的なビッグアーティスト達との共演を果たす。現在も全国各地のビッグパーティでプレイし会場をロックし続けている。

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